2009年3月14日土曜日

プレスリリースを英語と日本語で読む

今回は英語の勉強です。武田薬品は3月6日に糖尿病治療薬の開発状況に関するプレスリリースを出しました。面白いのは、日本語版より英語版のほうが情報が多いことです。英語版では、FDAが新しいガイダンスを適用すると書かれていますが、日本語版はカットされています。また、英語版は、追加試験のデザインについて相談に応じるとFDAが伝えてきたと書かれていますが、日本語版は、武田が行う場合はと仮定文になっています。

承認申請後にできたガイダンスを適用するなんて不公平だ、追加試験をやるなんて一言も言っていないぞ、という憤りが感じられますね。


英語版日本語版
Takeda Receives New Information on Alogliptin (SYR-322) NDA米国申請中の2型糖尿病治療薬SYR-322に関するFDA審査状況について
Takeda Pharmaceutical Company Limited today announced that Takeda Global Research and Development Center, Inc., a wholly owned United States (U.S.) subsidiary, was informed as part of regular discussions about the alogliptin New Drug Application (NDA) with the United States Food and Drug Administration (FDA), that although the alogliptin NDA was filed prior to issuance of FDA’s December 2008 guidance on new Type 2 diabetes treatments, the FDA will apply these guidelines when reviewing the alogliptin NDA.当社の100%出資子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(米国イリノイ州、以下、「TGRD社」)は、このたび、販売許可申請中の 2型糖尿病治療薬SYR-322(一般名:alogliptin)の審査状況について、米国食品医薬品局(FDA)と継続中の協議の中で連絡を受けましたのでお知らせします。
Additionally, the FDA does not believe that the amount of existing alogliptin clinical data is sufficient to meet certain statistical requirements in the new guidance. The agency is open to discussions regarding the design of additional CV studies with alogliptin. Alogliptin’s Prescription Drug User Fee Act (PDUFA) date -- June 26, 2009 - remains unchanged.In December, 2008 the FDA issued “Guidance for Industry: Diabetes Mellitus ― Evaluating Cardiovascular Risk in New Antidiabetic Therapies to Treat Type 2 Diabetes”.FDAは、SYR-322の現在の臨床試験データは、2008年12月に公示・施行された「新糖尿病治療薬の心血管系リスク評価についてのガイダンス」の統計的要件を十分に満たしているとは考えていないこと、また、当社が本薬に関する追加の心血管安全性試験を行う場合はFDAとして協力する用意があることを、述べています。なお、SYR-322の審査終了目標日である2009年6月26日については変更が無い旨、FDAより連絡を受けています。
In October 2008, Takeda received notification from the FDA that it was unable to complete its review of the alogliptin NDA by the original PDUFA date ― October 27, 2008 ― due to internal resource constraints. The FDA did not raise any issues with the data in the alogliptin NDA at that time. In December 2007, Takeda submitted its NDA for alogliptin to the FDA.当社は、2008年10月、FDA内部のリソース配分に起因する工数不足によって、SYR-322の当初の審査終了目標日であった2008年10月 27日までに審査が完了しないとの通知を、FDAより受領していました。なお、その際にはFDAからは、SYR-322の承認申請内容に関して問題点は指摘されていませんでした。








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