今回の新型インフルエンザの特徴は、重い呼吸器症状を発症して人工呼吸器が必要になる症例が多いことです。抗インフルエンザ薬はTamifluが経口投与、Relenzaは吸入なので、使いにくくなります。下痢や嘔吐症状のある患者にはTamifluは適さないかもしれません。日本で亡くなった2歳の女児はRelenzaを吸入しました。何か事情があったのでしょう。海外ではRelenzaをネブライザや人工呼吸器で投与することもあるようですが、乳糖が器具に張り付いて詰まるリスクがある様子で、死亡例も出ているようです。
注射できる抗インフルエンザ薬のニーズが高まっている折、アメリカの厚生労働省HHSが静脈注射用抗インフルエンザ薬三剤を合計3万コース分、3150万ドルで発注したと発表しました。
リンク:アメリカ厚生省プレスリリース
三剤は全てノイラミニダーゼ阻害剤で、一つは静注用薬として開発され日本でも先日、塩野義製薬が承認申請したperamivirです。一コース5日分2250ドルで1万コース分、発注しました。残りの二剤はTamifluとRelenzaの静注用製剤で、 一コース450ドルで各1万コースとなっています。アメリカがRelenzaの静注用製剤を入手しているという噂は前からありましたが、Tamifluもあったのですね。厚生省は、向こう2年間に三剤夫々を2万コース分追加発注するオプションも持っているようです。
peramivirは先日、特例的な使用許可が下りました。政府が戦略的国家備蓄として調達するものを供給します。残りの二剤はまだですが、今月中にFDAが『緊急時使用許可』を出すのではないでしょうか。
日本の政府はどうするのですかね。指をくわえて患者が死んでいくのを見ているつもりでしょうか。peramivirを特例的に緊急承認することはできないのでしょうか。
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