EUの医薬品評価委員会であるCHMPがclopidogrelとプロトンポンプ阻害剤の相互作用に関する添付文書の記述変更を勧告しました。これまでは原則として同時服用を推奨しないという内容だったのですが、omeprazoleとそのS異性体であるesomeprazoleだけに限定するというものです。今後、EUの手続きを経て添付文書が変更される予定です。
変更の理由は、omeprazoleと同時投与した試験でclopidogrelの活性代謝物の減少と、血小板阻害活性の低下が確認されたこと。データは添付文書に記載される見込みですが、現時点では公表されていません。他の薬が外された理由はあいまいで、CHMPの発表によると、様々な研究や試験の結果を総合的に評価した上での結論ということです。
clopidogrelを単剤またはアスピリン併用で服用している人は胃腸副作用を被る可能性があるのでリスクが高い患者はプロトンポンプ阻害剤などを服用する必要があります。H2ブロッカーならcimetidineを除いて心配はないのですが、オピニオン・リーダーの中には薬効のエビデンスが不十分であることに難色を示す人もいます。
CHMPがomeprazoleなどに限定したのは、医師や患者の選択肢を奪いたくないという考えもあったのではないでしょうか。玉虫色の判断であるように見えますが、それだけ、この問題の完全解決は難しいのでしょう。
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