2009年5月2日土曜日

ブタインフルエンザ:日本の症例定義

日本の新型インフルエンザ診断基準(症例定義)が厚生労働省のウェブサイトに出ていたので、抜粋します。この定義によれば、疑い例として報道されている症例は、本当は擬似症患者と呼ばれるべきではないのでしょうか。ただ、この名称も誤解を招きやすいので適切ではないかもしれません。何れにせよ、日本でも、S-OIVとそれ以外を見分けるのは容易ではないようです。


厚生労働省:新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)に係る症例定義及び届け出様式について


��平成21年4月29日健感発第0429001号厚生労働省結核感染症課長通知)

確定例

医師は、臨床的特徴(*1)を有する者のうち、38℃以上の発熱または急性呼吸器症状(*2)のある者を診察した結果、症状や所見から新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。


検査方法 検査材料
分離・同定による病原体の検出 喀痰・咽頭ぬぐい液・鼻汁・便・髄液・血液・その他
検体から直接のPCR法(Real-timePCR法、Lamp法等も可)による病原体の遺伝子の検出
中和試験による抗体の検出(ペア血清による抗体価の有意の上昇) 血清

疑似症患者


医師は、38℃以上の発熱又は急性呼吸器症状(*1)があり、かつ次のア)イ)ウ)エ)のいずれかに該当する者であって、インフルエンザ迅速診断キットによりA型陽性かつB型陰性となったものを診察した場合、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。


ただし、インフルエンザ迅速診断キットの結果がA型陰性かつB型陰性の場合であっても、医師が臨床的に新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)の感染を強く疑う場合には、同様の取り扱いとする。


  • ア)10日以内に、感染可能期間内*2にある新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)患者と濃厚な接触歴(直接接触したこと又は2メートル以内に接近したことをいう。以下同様。)を有する者

  • イ)10日以内に、新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)に感染しているもしくはその疑いがある動物(豚等)との濃厚な接触歴を有する者

  • ウ)10日以内に、新型インフルエンザウイルス(豚インフルエンザウイルスH1N1)を含む患者由来の検体に、防御不十分な状況で接触した者、あるいはその疑いがある者

  • エ)10日以内に、新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在もしくは旅行した者

*1:咳や鼻水等の気道の炎症に伴う症状に加えて、突然の高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛等を伴う。なお、国際的連携のもとに最新の知見を集約し、変更される可能性がある。

*2:急性呼吸器症状とは、最近になって少なくとも以下の2つ以上の症状を呈した場合をいう


  • ア)鼻汁もしくは鼻閉

  • イ)咽頭痛

  • ウ)咳嗽

  • エ)発熱または、熱感や悪寒


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