2010年2月7日日曜日

時差ぼけを防ぐコツ

旅行や出張で煩わしいのが時差ぼけです。特に、アメリカに行く時は昼間眠くなったり、夜、眠れずにテレビ番組を見て過ごすことが良くあります。昼間に日を浴びるのが良いという話を聞いたことがありますが、移動方向や時差によっては逆効果になるようです。New England Journal of Medicine誌に解説がありましたので専門家の意見を聞いてみましょう。

リンク:R. Sack, Jet Lag

時差ぼけの原因は私達の体内時計がタイムゾーンの変化に直ぐにはアジャストできないからです。この体内時計に影響するのが太陽の光や明るい照明です。夕方に明るい光を浴びると体内時間が後ろにシフトし、朝だと前にシフトするのだそうです。面倒くさいことに、タイムゾーンがどの程度違うかによっても光を浴びるべきタイミングが変わるのだそうです。

時差ぼけ防止のアドバイス

    旅行前
  • 西方向の場合は数日前から寝る時間を1-2時間遅くして、夕方には明るい光を浴びるようにする。東方向の場合は1-2時間早めて朝に明るい光を浴びる。

  • 荷造りは事前に済ませる。前日に十分な睡眠時間を確保できるような出発時刻のフライトを選ぶ。


ごもっともです。しかし、旅行や出張の前は何かと忙しく、なかなか実行できません。


機中

  • 可能ならビジネスクラスやファーストクラスを選ぶ。

  • 十分な水分を取る。深静脈血栓を避けるために頻繁に姿勢を変えたり機内を歩き回れ。

  • 寝るつもりならカフェインの摂取を抑えよ。睡眠薬を飲むならアルコールを飲むな。


私もフライトの度にファーストクラスに乗りたいと切に望みますが、シアトルからデトロイトの乗り継ぎ便で一度、上乗せ金なしで乗せてもらったことが一回あるだけです。


到着後

  • 時差ぼけになることを覚悟せよ

  • 夜行便で寝不足な場合は昼寝をしてもよいが20-30分程度に抑えよ。

  • 西方向の旅行なら夕方に光を浴びよ。但し、時差が8時間以上の場合は、到着後2日間は夕暮れ前の2-3時間は明るい光は避けよ。3日目以降は夕方に明るい光を浴びよ。

  • 東方向なら朝に光を浴びよ。但し、時差が8時間以上の場合は最初の2日間は夜明け後の2-3時間は明るい光を避けよ。3日目以降は朝に明るい光を浴びよ。

  • カフェインを上手く使え(眠気を防ぐには役立つが午後に飲み過ぎると睡眠を妨げる)


時差ぼけを覚悟せよと言われても、そうならないためにアドバイスを求めているので困りますが、心の準備をしておけば時差ぼけのストレスが緩和する、という趣旨なのでしょう。

日を浴びるべき時間と避けるべき時間は実際にはもっと複雑であるようです。日本からロンドン、ロサンジェルス、ニューヨークに旅行するケースに当てはめてみましょう。


旅行先と明るい光の浴び方(初日)
ロンドンLANY
タイムゾーンの差9時間7時間10時間
フライト到着時間夕方昼前から夜
光を浴びる時間11-17時13-19時14-20時
光を避ける時間21-03時3-9時4-10時

JALの場合、ロンドン着は夕方になるので、到着した日は17時までに日を浴びるのは無理でしょう。21-03時に強い光を避けよとのことですが、陽は差していないしロンドンの遊び場は薄暗いことが多いので、問題はないでしょう。

ロサンジェルスは昼に着くので、午後は日を浴びましょう。次の日は9時までは光を浴びすぎないように注意しましょう。

ニューヨークは便数が多く到着時間も色々ですが、午後に日を浴びることができるなら浴びて、午前中は10時ごろまで避けたほうが良さそうです。

さて、このアドバイスはどの程度有効なのでしょうか。臨床試験の裏付けは無いようなので、上手く行くとは限りません。しかし、アドバイスに従っても損はしません。大事な旅行の妨げにならないようなら、励行してみたらいかがでしょうか。


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