日本の承認が遅れたのはPMDAや審議会にとってラッキーだったのかもしれません。シブトラミンは以前から心血管リスクが疑われていて、汚名を返上するために実施されたのがSCOUT試験なのです。09年に結果が発表されることは周知の事実だったのですから、もし結果を待たずに承認してその直後に心血管リスクが発覚したら、日本の新薬承認審査はザルと批判されていたでしょう。
シブトラミンの安全性問題の経緯
- 97年11月:アメリカで肥満・太り過ぎ患者の体重管理薬として承認、翌年に発売
- 99年1月:ドイツで承認
- 01年6月:他のEU加盟国でも相互認証方式で承認
- 02年3月:イタリアが一時的に販売承認を停止。市販後の有害事象報告が同年2月時点で99例に達したため。うち10例は重篤。
- 02年6月:EUのCHMPが治療による便益はリスクを上回ると判定、販売承認継続を勧告。同時に、承認時の約束である心血管アウトカム試験を早く開始するようメーカー側(アボットのクノール部門)に要請。
- 02年:心血管アウトカム試験のSCOUT試験が開始
- 02年12月:フランス政府が使用制限を導入。治療開始できるのは心臓・内分泌学専門医及び内科医だけ、治療期間は1年以内。
- 07年11月:アボットから日本の独占開発販売権を取得したエーザイが日本で承認申請。BMIが25kg/m2以上の二型糖尿病患者342例を組み入れた1年間の試験で体重が平均5%減少、プラセボは1.97%で統計的に有意。
- 09年7月:薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を通過
- 09年9月:薬事・食品衛生審議会薬事分科会で継続審議に
- 09年11月:SCOUT試験の結果が欧米などの承認審査機関に報告
- 09年12月:CHMPが承認取消を勧告
- 10年1月:FDAが心血管疾患既往あるいは管理不良高血圧を禁忌に格上げ。販売継続は認めた。
EUとアメリカで対応が分かれたのは、SCOUT試験が心血管疾患のリスクが高い患者だけを組み入れた試験だからでしょう。心血管リスクが高くない患者ならベネフィットがリスクを上回ると判定したのです。以下のサブグループ分析を見ると、確かに有意差が出たのは二型糖尿病と心血管疾患を併発した患者だけです。
サブグループ | プラセボ | シブトラミン | HR (95%CI) | p値 |
---|---|---|---|---|
二型糖尿病のみ(n) | 1,178 | 1,207 | 1.010 | 0.951 |
イベント発生数 | 77 | 79 | (0.737, | |
発生率 | 6.5% | 6.5% | 1.383) | |
心血管疾患のみ(n) | 793 | 759 | 1.274 | 0.151 |
イベント発生数 | 66 | 77 | (0.915, | |
発生率 | 8.30% | 10.10% | 1.774) | |
二型糖尿病且つ 心血管疾患(n) | 2,901 | 2,906 | 1.182 | 0.023 |
イベント発生数 | 346 | 403 | (1.024, | |
発生率 | 11.90% | 13.90% | 1.354) |
注:SCOUT試験は二型糖尿病のみ、心血管疾患のみ、二型糖尿病と心血管疾患の両方、の三種類の肥満・太りすぎ患者約1万人を組み入れた。解析対象イベントは心臓発作、脳卒中、心停止蘇生、心血管死。
しかし、このデータを見るだけではどんなベネフィットがあるのか分かりません。3月のACC心臓学会でデータ発表されるはずだったのですが、撤回されたようです。JACCの抄録集には掲載されているのですが、ACCのオンライン・プランナーではいつの間にか削除されているからです。この抄録は「学会で結果発表する予定」としか記されていないので一番知りたい点、つまり、体重がどの程度減ったのかが分かりません。
体重管理薬の効果は一時的で、最初は体重が減少しますが6-9ヵ月で下げ止まり、その後は徐々に上昇します。服用を止めると体重が元に戻ります。効果は長期的に持続するのか?服用中止率はどの程度なのか?肝心の点が未発表なのです。
最後に、日本の二つの審議会の議事録が公表されているので、長文になりますが引用しておきましょう。但し、薬事分科会のほうは伏字(白い四角)ばかりなので意味不明です。
平成21年7月24日薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会議事録
○松井部会長 それでは議題4について、医薬品機構から概要を説明してください。
○機構 議題4、資料No.4の医薬品オベスケアカプセル10mg、同カプセル15mgの製造販
売承認の可否等について、御説明いたします。
本剤の有効成分であるシブトラミン塩酸塩水和物は、英国Boots Pharmaceuticals社(現Abbott Laboratories社)の合成されましたセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)であり、開発当初はうつ病を対象とした臨床開発が実施されています。この過程で、うつ病に対する有効性は認められなかったものの、体重減少が認められたことから、19□年より抗肥満薬としての開発が開始され、1997年11月にメキシコで初めて承認されて以来、2009年2月現在、83か国で承認されています。本邦では、19□年□月より第I相試験が開始され、今般BMIが25kg/平方メートル以上で、内臓脂肪蓄積を伴い、2型糖尿病及び脂質代謝異常を有する肥満症に対する適応で承認申請が行われました。なお、類薬としてはマジンドールが承認されています。
本申請の専門委員としまして、資料No.12に記載されています12名の委員を指名させていただきました。
まず、有効性についてですが、審査報告書49ページの上の表を御覧ください。国内第III相試験において、主要評価項目である最終評価時におけるベースラインからの体重変化率及び体重変化量は、本剤群でそれぞれ-5%及び-4.19kg、プラセボ群でそれぞれ-1.97��及び-1.62kgであり、本剤群はプラセボ群と比較して有意に体重を減少させました。次に、審査報告書56ページの中段の図を御覧ください。本剤の投与により、内臓脂肪面積及び腹囲の減少が認められており、弱いながらも体重減少との相関性が確認されています。一方、本剤投与によりHbA1Cや空腹時血糖値等の血糖関連パラメータ及びトリグリセライド、HDLコレステロール及び総コレステロールといった脂質代謝パラメータの改善も認められておりますが、体重減少との相関性は明確ではありませんでした。
以上を踏まえまして、審査報告書77ページの上から2行目以降を御覧ください。本剤の臨床的意義は、本剤の投与により体重を減少させ、適切な生活習慣の確立へと患者を導くことにあると考えておりますが、本剤の有効性として、日本人で明確化されているのは現時点で体重減少のみであり、海外での効能・効果も参考とすると、本剤の適正使用を推進する観点から、効能・効果としては「BMIが25kg/平方メートル以上で内臓脂肪蓄積を伴い、2型糖尿病及び脂質代謝異常を有する肥満症における体重管理(ただし、食事療法・運動療
法を行っている患者で十分な効果が得られない場合に限る)」と設定することが適切と判断しております。なお、この効能・効果と関連して、本剤投与後には患者が適切な生活習慣を確立できるよう生活習慣の改善に取り組むとともに、定期的に体重等を測定して、効果不十分の場合には、投与の中止も検討する必要があることなどを、用法・用量に関連する使用上の注意の項で記載し、本剤を漫然と投与しないように注意喚起しております。なお、適切な診断及び適正使用を推進するための講習会の実施や、適正使用ガイドの配付などが行われる予定となっています。次に、本剤投与による安全性についてですが、審査報
告書60ページの中段の表を御覧ください。国内臨床試験において、本剤の投与により、血圧及び脈拍数の上昇が認められており、最終評価時の体重減少率が5%以上であったか否かで層別したところ、体重減少が5%未満の群で本剤群による血圧及び脈拍数の上昇後の程度が大きかったという結果になっております。また、同ページの上の図を御覧ください。海外臨床試験における血圧上昇及び脈拍数の増加の時期別の発現率を示していますが、投与開始6か月までに約80~90%が認められています。これらを踏まえて、添付文書の重要な基本的注意の項で、投与6か月までは少なくとも1か月に1回、それ以降も定
期的に血圧と脈拍数を測定するよう注意喚起をしているところです。なお、本剤によるこれらのリスクを踏まえ、海外での添付文書を参考とし、「冠動脈疾患、うっ血性心不全、不整脈又は脳血管発作の既往歴のある患者」及び「コントロール不十分な高血圧症患者」への本剤の投与については、禁忌と設定しております。また、本剤の心血管系の有害事象等の発現状況については、製造販売後調査において、引き続き検討を行うこととなっております。
以上の審査を踏まえ、本剤のBMIが25kg/平方メートル以上で内臓脂肪蓄積を伴い、2型糖尿病及び脂質代謝異常を有する肥満症における体重管理(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合に限る)に対する効能・効果を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。
本申請は、新有効成分含有医薬品であり、再審査期間は8年、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しています。以上です。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。それでは、参考人の川上教授から補足等ございましたら、お願いいたします。
○川上参考人 私は、糖尿病や脂質代謝異常症などの患者を診る機会が非常に多いのですが、肥満が大本にあると考えられることがしばしばあります。これは、単純に体重が多いというだけではなくて、肥満症といいますか、体重が多いことによって健康障害がきていると考えられる症例がしばしばあります。これらの患者は、減量だけですべてが解決するとは限りませんが、減量することによってかなり病態がよくなる、あるいはほかの薬の使用量が減ることは、明らかに分かっています。患者自身も、かなりそれに努力されている、また栄養士あるいは理学療法士等々でかなり指導をしていても、実際にはこの現代社会の中において肥満を完全に自分自身でコントロールできるということが必ずしも容易ではないというのが現状です。
そのようなことで、薬としては今御紹介がありましたようにマジンドールが使われているわけです。マジンドールを使った症例では、皆さん減量が楽といいますか、食事療法を守ることが楽になるということで、喜んでおられる方が多いのですが、マジンドールは非常に縛りがきついのです。まず、適応がBMIで35以上で、しかも3か月しか使えないために、適応の範囲が非常に狭いということで、現場ではより広く、また有効な薬剤が使用できることを期待しています。そういう意味で、これによってすべてが解決するわけではありませんが、これは食事療法・運動療法を促進する上において、非常に有効であると
我々は考えているところで、薬を飲めばすべてが解決するというわけではありません。
もう一つ予防ですが、この場合は適応が脂質異常症あるいは2型の糖尿病ということになっています。特にアメリカの例などを見ますと、耐糖能異常の患者に運動療法・食事療法で減量をさせた場合に、3年間の糖尿病への移行が50%減ると言われておりますので、そういう意味でも減量、体重の適正な維持は、疾患の予防という意味でも大事だと考えられます。また、昨年から肥満治療学会が発足されていまして、これは肥満のメカニズムだけではなくて、切実に肥満をどのように治療したらいいのかを、学会レベルで検討しなければいけないということで始まった学会です。その中で一つの治療の方法として、胃を小さくする、あるいは胃と腸をバイパスして吸収を悪くする、あるいは胃をバンディングで縛って食べる物を食べられなくするというような治療法、いわゆる外科的治療というものが行われるようになっています。その適応の患者が、今年の学会での推定では、日本人で14万人といわれています。ですから、そういうところにいく前の予防の意味においても、こういう薬物を使ってでも、望ましいとは必ずしも言えないかもしれませんが、そういう意味での現場の必要性という意味では、切実なところがあると我々は感じております。以上です。
○松井部会長 ありがとうございました。それでは、委員の方々から御質問、御意見をお願いします。
○野田委員 二点ございます。まず一点目は安全性の方で、今名前が出ていますマジンドールでは依存性ということがありましたし、この薬剤の性質からして、自殺念慮などがあると思いますが、それについて少し詳しく御説明していただければと思います。
○機構 審査報告書の66ページをお開きください。本剤に関しては、依存性に関して検討しておりまして、非臨床試験において、マジンドールと比較して、依存性を検討しております。この中でこの薬に関しては、アンフェタミンなどと同様の作用は示していないということで、この薬に関して作用はないということが確認されています。また、臨床試験で第II相試験の中で、この薬を飲みたいかということを投与終了後及び投与終了後4週間後に依存性に関するアンケートを取っていますが、この中でも依存性がないことが結論として出されております。
○松井部会長 今の御質問の中に、自殺念慮のことがあったように思いますが。
○機構 自殺の方なのですが、審査報告書64ページを御覧ください。自殺リスクに関しては、この薬に関して臨床試験の中で、国内では自殺関係の有害事象は認められておりません。海外の臨床試験の中でも、企図的過量投与が本剤群で1例、プラセボ群でも0例という形で、自殺企図がそれぞれ2例、若しくは1例ということで、いずれも5,000例若しくは2,000例の中の1例、若しくは0例や2例ですので、非常に低い発現率であって、この薬に関しては、自殺のリスクに関しては高いものではないと判断しています。
○野田委員 どうもありがとうございました。二点目を確認させていただきたいのですが、添付文書案の、この薬剤の適応ですが、BMIが25以上で、かつ2型糖尿病があって、かつ脂質代謝異常がある場合に使えるという薬ですね。それからもう一つは、「内臓脂肪蓄積を伴い」という所の下の囲みの中を拝見しますと、「可能な限りCTにより確認した上で」と書いてありますが、可能な限りというのは、どの程度確認すべきなのか。腹囲だけとか、その辺りのニュアンスを教えていただきたいのですが。
○機構 その点は、専門協議の中でも御議論いただいたところですので、川上先生の方からも補足があれば、後でしていただければと思います。我々の最近出されています日本肥満学会からの肥満症治療ガイドラインの中でも、CTを可能な限り撮るということが推奨されています。現実問題として、すべてのケースにおいてCTを義務付ける必要があるのかということに関して議論した場合に、必ずしもそうではなくて、治療歴であり、あるいは腹囲でありといったものでも、十分確認できる。ですから、今回の効能・効果の中で一つの因子としてとらえていますので、先生がおっしゃったようにBMI25以上、かつ2
型糖尿病、かつ脂質代謝異常の肥満症で、しかも内臓脂肪蓄積を伴っていると。ですから、幾つかのファクターのあるうちの一つとして、我々としてはできる施設あるいはできる状況ではCTを撮っていただきたいのですが、それを必ずしも要求事項というか、それがないと始められないというところまで縛る必要はないのではないかというようなことで、このような書き振りにさせていただいた経緯があります。
○松井部会長 必須ではないということでしょうか。
○野田委員 つまり、肥満学会のガイドラインにのっとっての可能な限りという理解でよろしいですね。どうもありがとうございました。
○松井部会長 ほかに御意見はありますか。
○成冨委員 マキシマムの投与期間は特に設けられていないようですが、例えば最初はB��I25%を少し超していて、これを飲んでいるうちにどんどん痩せてきて、それでもずっと飲み続ける人がいるかもしれませんが、どこかでやめなければいけないというものはないのか。あるいは、やめた後にリバウンドがこないのか、その辺りの問題はどうでしょうか。
○機構 添付文書の「用法・用量に関連する使用上の注意」を御覧ください。本剤に関しても、この薬に関してどこまで飲ませるかに関しては、専門協議でも議論させていただきました。その中で、「用法・用量に関連する使用上の注意」のところで書かせていただいているのですが、まず3か月の時点で少なくとも投与前から、基準にのっとって5%の減少が認められなければ、継続投与の妥当性を判断すると。その後に、6か月で効きが悪ければ、投与中止を検討すると。それから3番にありますように、投与開始1年をめどにして、一応この薬から離れる、若しくは離脱できるようなところで、適切な生活習慣を確立
した上でやめていただくということを、この中では書かせていただいております。ただ、実際には臨床の現場の中で、この薬がどうしても1年で絶対に切れるかというと切れない場合も多分あるだろうということで、まずはきちんとした目標、めどを立てて、その中で薬を切れるような環境を作っていくことが大事であろうということで、用法・用量に関連する使用上の注意に書かせていただいているところです。
海外の方では、一応2年まで使ったようなデータは確かにあるのですが、国内の臨床試験では1年までです。
○松井部会長 リバウンドのことについては、いかがでしょうか。
○機構 この薬ですが、添付文書の5ページの臨床成績の項を見ていただけると分かるのですが、体重変化率の経時推移があります。5ページの右の下の図です。ここで52週以降、3か月間フォローアップを取っているのですが、これで見ていただくと分かりますように、この薬をやめると、体重が落ちた患者がその後のフォローアップで戻ってきます。実際にはリバウンドというか、元に戻るぐらいまでは戻ってくるのかなというところが、この結果から読み取れるようになっています。
○松井部会長 いかがですか。
○川上参考人 この種の薬の一番の問題でして、我々の使い方としては、まず減量することによって食事療法あるいは運動療法等々をより行いやすくすることによって、減量によって生活習慣の改善療法というものが、より遵守できるようになることを期待して使うのが現場だと思います。ですから、この薬だけで生活習慣を改善できない場合は元へ戻ってしまいますので、そういう意味での現場での使用法としては、非常に注意が必要だと思います。これは、先ほど申し上げました外科療法でも同じで、もともとそういうことが動機として守れないような方には、外科療法を行ってもやはり元に戻るということになってお
りますので、最初に使い始める適応については、現場ではかなり注意しながら使うと思います。
○松井部会長 成冨先生、よろしいですか。ほかに御意見はありますか。
○清水委員 川上先生に教えていただきたいのですが、今の話に出ましたが、長期投与になってしまう可能性は、先生はどのようにお考えになりますでしょうか。
○川上参考人 これは、先ほど事務局の方からも御案内がありましたが、かなり使う医師の理解が十分にないと、先生が御指摘のようなことがあり得ると思います。いわゆる依存症とは違いますが、使っていた方が現場としては楽です。ですから、使用する医師の啓蒙は同時に行うということも条件の中に入っていると思いますが、それは是非必要なことだと考えています。
○清水委員 そういったことを考えますと、投与日数が発売後1年を経過した後の話にはなりますが、処方日数の制限や定期的な検査を義務付けるというようなことで、何か少し抑制になることを考えることも必要かなと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○川上参考人 少なくとも1年を超える場合は、理由書というものが必要になると考えています。どのような縛りをするかは、今ここで判断できることではありませんが、御指摘のように正当なる理由があることを第三者が認めるような審査が必要であるとは思います。ただ、全く現在のマジンドールを使えないということでして、これはかなり専門家の間で使った方がいいと思われる状況でも使えないという意味で縛ってしまうことは、現場としては困るということですので、全く可能性を無くしてしまうということは避けていただきたいというのが、私どもの考えです。全く野放図にしておいていいということでもな
いと思います。
○清水委員 私が1年を過ぎた後とお話したのは、通常1年を過ぎるといわゆる処方の上での長期投与が可能になってくる。新薬の間には2週間ずつ処方しなければいけない。そうすると、そこにある程度たがが掛かってくるのですが、そこで長期投与が可能になってしまうと、その辺りのところがルーズになる可能性があるという意味で、質問させていただきました。
○松井部会長 この辺りの制限をすることは、技術的に可能なのでしょうか。
○審査管理課長 処方せんの期間は、保険の考え方でやっていると思いますので、先生から御指摘のあった、御意見があったことについては、お伝えさせていただくということで対応させていただきたいと思います。
○機構 事務局から追加をさせていただきます。まず、先生が御指摘の点は我々も非常に重要だと考えています。一つは、今、川上先生からもありました使用する医師への啓発活動です。例えば、そのような本剤のリスクやベネフィットを解説した適正使用ガイドというものを今用意しています。この治療を始める前に、この薬を使い続けることそのものが治療ではなくて、やはり使って体重を落としていただいて、いかに患者が適切な生活習慣を確立するか、そのためのツールなのだということをきちんと説明しながらやっていただく。それから、先ほど添付文書を事務局から御説明したように、一応1年に目標を設定して、それまでにきちんと確立できるような目標を立てながら治療に挑んでいただくことが一つです。
それから、今計画しています製剤の販売後調査の中で1年を超えるような場合には、なぜ1年以上の投与が必要であるのかといった理由も含めて、調査をする予定にしています。そこで、1年を超えるような症例が多数認められた場合には、やはりその症例の必要性なり安全性なりについては、我々事務局としても十分にフォローしていきたいと考えています。
○松井部会長 ありがとうございます。大事な点だと思います。ほかに御質問、御意見等ありますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入りたいと思います。川上参考人、どうもありがとうございました。失礼ですが、御退席ください。
── 川上参考人退席 ──
○松井部会長 なお、永井委員、野田委員、林委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
2009/09/29 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録
○望月分科会長 委員の方々から御意見、御質問等があればお願いいたします。
○宗林委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□
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○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□。
○事務局 □□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□
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○機構 □□□□□□□□□□□□。「□□□□□□□□□□」□□□□□□□□□□□
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○望月分科会長 □□□□□□□□。
○笠貫委員 □□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□、□□、□□□□
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○機構 □□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□、□
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□□□□□□□□□□□□□。□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□
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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□
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□□□□□□□□□□□□□。
○笠貫委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□
□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□
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□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○機構 □□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□、□、□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□
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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□
□□□□□。
○審査管理課長 □□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□、□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□、□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。
○審査管理課長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□
□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○笠貫委員 □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。「□□□□□□□□□□」□□□□□□
□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□、□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□。
○望月分科会長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○機構 □□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□
□□・□□□、□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、「□□□□
□□□□□」□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□、□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□
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○宗林委員 □□、□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□
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□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□・□□
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□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□。
○山口分科会長代理 □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□、
□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□、□□□□□□□□□□□
□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□
□□□□□□□。
○機構 □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□、□□□□□・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、
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□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□・□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□
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□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□
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□□□□□□□□□□□□□・□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○笠貫委員 □□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□、
□□□□□□□、□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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○機構 □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□、□
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□□□。
○飯島委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、
□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□
□、□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□。
○審査管理課長 分かりました。いろいろと先生方に御指摘いただいています。この薬剤を使うに当たりどういう縛りにするかというところの御議論かと思いますので、それについては、また整理させていただいて、御報告させていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。
○松本委員 □□□□□□□・□□、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□、□□□□□□
□□□□□、□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□。
○望月分科会長 以上に基づいて、検討していただき、報告いただくということでよろしいでしょうか。
○神山委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□、□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□。
○望月分科会長 よろしくお願いします。それでは、資料10については、今申し上げた
ような処置をさせていただきたいと思います。
平成21年11月27日薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会議事録
○松井部会長 次は、最後の議題ですね。「その他」の議題1を御説明ください。
○事務局 資料18-2に基づいて御説明します。本日配らせていただいた1枚紙の資料になります。「医薬品オベスケアカプセル10mg及び同カプセル15mgの対応について」、です。まず、本日この「その他」の議題として報告させていただくこととなった経緯について簡単に御説明したいと思います。平成21年7月24日開催の本部会において既に御審議いただいている品目ですが、その後、9月29日に開催された薬事分科会において、□□
□□□□□□□□□□□を再整理することとされました。□□□□□□□□、□□□□□
□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□
□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□
□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□、□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、これについて報告させていただくということになりました。2番以降、詳細な説明について機構の方から御説明をお願いしたいと思います。
○機構 手短にご説明します。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□・□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□、□□□□□
□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□
□□□、□□□□□□・□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□
□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□。□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□
□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□
□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□
□□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□、□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□、□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□
□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□(□)□□、□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□
□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□・□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□、本剤の取扱いについてさらに検討をしたいと考えておりますので、本日はその現状を報告させていただいたということです。
○松井部会長 ありがとうございました。御質疑はありませんでしょうか。ありませんか。それでは本事項については先生方の確認をいただいたものといたします。
うーん。アラン・ポーの小説に出てくる天才でも、この暗号は解けないでしょう。